丸全昭和運輸 分析記事
※事業内容
「丸全グループは3PLサービスや海・陸・空一体の複合一貫輸送によるロジスティクスをグローバルに展開しています。さらには、工場や大学の移転、プラント輸出等の各種大型機器の解体から、移設・組立・据付まで一貫して行う機工関連業務をはじめ、精密機器輸送や危険品輸送等、専門知識と高い技術力を伴う高品質な物流サービスをご提供しています。」丸全昭和運輸ホームページ引用
上記の通り、物流事業が中心の総合物流企業である。
*丸全昭和運輸の強み
・プラスαのオペレーション(据付など)
・国内外のネットワーク
・ITシステム(3PL情報システム)
・現場仕込みのソリューション
(ホームページ抜粋)
上記の強みに裏打ちされた物流の質の高さが丸全昭和運輸の強みであり、8%前後の営業利益率として近年は結果にも繋がっている。
また、同社は創業90周年と長らく事業をする中で培った盤石の事業基盤も大きな強みである。
昭和電工、JFEスチール、富士フィルム、三菱商事、ライオン、旭ファイバーグラス、ニチアス、三井化学、日本電産などが主要顧客であり、上位10車で売上の3割、50社で6割を占めている。
*成長性
基本的には増収増益基調。
国土交通省の2018年のレポートによると、国内貨物は緩やかに減少、国際貨物は緩やかに増加を続けている。
丸全昭和運輸もまた、海外に進出しており、アジアを中心に国際化を推し進めており今後の成長はいかに海外に進出できるか、また、IT化の進んだ3PL事業など付加価値の高い高品質な物流を顧客に提供できるかが肝要である。
*B/S
流動資産が約30%
有形固定資産が約45%
投資その他の資産が約20%
投資その他の資産にある政策保有株式にかんしては、業界の慣例として保有してると言っていたのでしばらくは解消の余地はなさそう。
自己資本比率は約65%と何の問題もない。
強いて言えば、業績は安定してるのでもう少しレバレッジを効かせた経営を行うか株主還元を強めても良いであろう。(配当性向約20%)
*株価指数
PBR0.66
PER8.91
同業の物流企業と比べても指数は割安。
このことに関しては経営陣も問題意識を持っているようで、企業価値向上に努める旨の話はしていた。
割安要因の一つとして、配当性向の低さが挙げられるだろう。
20%前後の配当性向で、現状配当利回りは2.46%
30%の配当性向と自社株買いのコンボを決めれば株価上昇は見込めるだろう。
しかしながらそこまで踏み込めないのは、創業以来減配をしたことがないという維持だろうか(記念配当除く)
株価を上げるか否かは経営陣の勇気に委ねられている。